損益計算書は1年間の成績表だと言われます。
いくつかの利益が損益計算書にはありますが、特に営業利益は事業による収入ですから、最も重要な数字の一つです。
企業のあらゆる施策は、営業利益の向上に繋がるのかという視点を持つことが必要です。
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営業利益を目標にすべき理由
利益とは売上高から費用を引いたものです。
営業利益の場合、「売上高」から「売上原価」と「販売費及び一般管理費」を差し引いたものになります。
売上高を向上させるためには、必然的に費用も増加します。
そのため、売上高が上がったとしても、費用も大幅に増加してしまった結果、利益が増えていないといったこともあり得ます。
逆に、費用が増えたとしても、相応に売上高が向上すれば利益も増えます。
稀なケースですが、利益率の高いクライアントに注力することで、売上高は下がっても、利益が向上したということもあります。
つまり、売上高が上がりさえすれば良い、費用が下がりさえすれば良いということではなく、営業利益が(どれだけ)増加するのかを目標にし、管理すべきなのです。
その施策は営業利益が向上するか
各種補助金を例に考えてみましょう。
ものづくり補助金ができてからは補助金バブルとも言える状態です。
しかし、ものづくり補助金を活用して、実際に利益が上がって成長した企業を見たことがあるでしょうか?
バブルで儲けているのは代書業者だけで、申請企業ではないというのが現状です。
もちろん、経済産業省としては設備投資を促し、生産性の向上を図ることで付加価値の向上や収益性が向上することを目的に始めたのだと思われますが、補助金を使用して導入した設備が営業利益につながっていないということです。
本来なら設備投資は目的を達成する手段なはずです。
しかし、安く設備が導入できるということだけが先行してしまって、何のための設備投資なのかということが置き去りになった挙句、申請に必要だから適当な数値計画を作成するというのが実際のところでしょう。
このように、営業利益が向上するための施策でなければ、(当たり前の話ですが)それがどのようなものであっても利益は上がりません。
下手したら減価償却費が増えた分だけ利益が減ってしまうかもしれません。
ものづくり補助金を例にしましたが、他の補助金や補助金以外にも5SやDX、SDGsへの取り組みなど、何にでも言えることです。
営業利益が上がることが見込まれる施策なのか、そうでなければやる意味があるのかということを考える必要があるでしょう。
最後に
我が国は少子高齢化で、市場が縮小しています。
何もしなかったら売上高は減少し、それに伴って営業利益も減少してしまうことが見込まれます。
営業利益の増加を目的として何らかの施策を取る必要性はますます高まるかもしれませんので、検討している施策は営業利益を向上させるものであるかという点を、まず考えてみてはいかがでしょうか。