ジャムとゲーム

葉野菜と比較して、根菜類や果物は規格外として出荷できないものが多くなりがちです。
特に果物はジャムやジュースといった加工品にしやすいこともあり、規格外の果物をジャムにして販売するというのは果樹農園の6次産業化のパターンとしてポピュラーです。

しかし、これは需要から検討された商品なのでしょうか。

ジャムがポピュラーな理由

道の駅を始めとした地域の特産品を扱っている店に行くと、地域の果物を使用したジャムの瓶がたくさん並んでいるのを目にするでしょう。

6次産業化のパターンとしてジャムがポピュラーな理由は、コスト面や設備の面を含めて、作りやすいからです。

言い換えると、作りやすいから作っているという生産者の都合であり、市場の需要や競合商品については考えられてはいません。

メーカーの都合

6次産業化のジャムに限らず、自分たちの都合で考えられ、買い手のニーズや競合について考えられていない商品・サービスは世の中に多々あります。

例えばテレビゲームのリメイク版や続編がこのような商品の典型例です。

続編はまだ人気ゲームの新しいバージョンと言えますが、リメイク版は買い手のために面白いゲームを新たに考えて提供しようというものではなく、肝心の企画部分を検討せず、作業の部分を行うことで製品化できる、メーカーの都合が優先された商品だといえるでしょう。

作り手の都合は買い手には関係ない

テレビゲームは開発のための支出があって、発売してから初めて回収できるという、非常にキャッシュフローの悪い商品です。
そのため、売上が堅そうなリメイク版や続編を出したいというのはメーカーとして自然な選択肢なのかもしれません。

しかし、作り手の都合は買い手には全く関係がありません。
ジャムやテレビゲームを例として挙げましたが、作り手の都合が買い手には関係ないことは、全ての商品・サービスにおいていえることです。

最後に

ジャムやテレビゲームが駄目だという話ではありません。
自社の都合を優先して、買い手の存在を軽んじた、競合の存在を無視した商品・サービスであっては本末転倒だということです。

以上、参考になれば幸いです。

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