ユダヤ人は世界の人口の0.2%未満であるにも関わらず、ノーベル賞受者の22%を占めており、6種類すべてを受賞しているそうです。
ユダヤ人は子供の時から聖書やタルムードを暗記することはご存知の方も多いかもしれません。
このようなユダヤ人の教育法について多くの本が出版されています。
さて、ユダヤ人の教育法の中で、企業でも取り入れることが出来そうなものがありましたのでご紹介いたします。
それは、ハブルータと呼ばれる手法です。
Table of Contents
ハブルータとは?
ハブルータとは、2人1組になって質問と討論を繰り返す勉強法です。
人に説明をしようと思ったら、説明ができるだけの理解が必要です。
さらに別の人の視点で疑問に思ったことを質問することで、別の角度からの視点で考える機会が生まれます。
これを繰り返すことで表層的に終わらず、双方にとってより深い理解を得ることが期待できるでしょう。
教えることが最大の学び
話は変わりますが、ラーニングピラミッドはご存知でしょうか。
取り組み内容に応じて、学習内容がどの程度定着をするのかを表したものです。ラーニングピラミッドによると、人は話を聞くだけでは、学習した内容の5%しか定着せず、能動的に学習するほど定着率が高まります。
それに対して、自ら教えると90%の定着が見込まれるとのことです。
ラーニングピラミッドの定着率の数値に対してちゃんとした根拠はないようですが、確かにただ聞いているだけ、(本を)読んだだけよりも実際にやってみた方が身につくでしょう。
ましてや、人に教えられるまでになれば言わずもがなです。
ハブルータであれば、そこからさらに深い理解を得る可能性が高まると言えそうです。
企業活動に取り入れる
ハブルータを企業の中で活用できる場面は多そうです。
- 商品やサービスの企画
- プレゼン資料の作成
- Webサイトや商品パンフレットといったプロモーション用の文章の作成
- 営業のトークスクリプトの作成
- QCサークル活動のような業務改善
……といったことなどです。
例えば、現状の業務改善だと以下のようなイメージです。
A:現状の品質管理はこのように行っています。
B:なぜ10年以上、同じやり方なのか?
A:今までそれで不備がなかったこと、変更することでのリスクが考えられるからです。
B:○○の作業での歩留まりは100%であり、その次の工程での検査の必然性は低いため、検査の工程はなくせないのか。
いかがでしょうか。
当たり前に行っていることも、説明役と質問役を設定し、質問役は徹底して現状に対して疑問を持つようにして質問を繰り返すと、業務の改善ができないでしょうか。
最後に
トヨタでは、問題が起こった際に、問題が再発しないように「なぜ?」を5回繰り返すなぜなぜ分析によって原因追及を行います。
ハブルータは、問題の有無に関わらず改善できそうな点を探すのに効果がありそうです。
ずっと勤務している従業員の方よりも、新入社員の方が別の角度から質問ができると考えられます。
特に他業界の経験者であれば、他業界という別の評価軸を持っているので適任でしょう。
新入社員がいないのであれば、顧問税理士に付き合ってもらったり、外部のコンサルタントを活用したりという方法が考えられます。
いずれにしても、外部の環境の変化に対して、今までの当たり前では通用しなくなる可能性があります。
簡単にできることですので、試してみてはいかがでしょうか。