ヒューマンエラー対策

作業においてトラブルが発生すると、進捗に影響を与えます。
そのため、トラブルの発生確率を下げる予防保全という考え方と、トラブル発生した時のダメージを小さくする事後保全の考え方は、どのような作業においても重要です。

では、日常業務でのミス、作業のやり直しを防ぐためにどのように考えたら良いのでしょうか。

予防保全

具体的な対策を講じることで、ヒューマンエラーによるミスやトラブルの発生確率を下げる、あるいはゼロにするという考え方です。

「ミスしないように気を付ける」ということだけなら予防保全にはなりません。
ミスがあった部下に対して、上司が気をつけろと注意するということはよくあることだと思われますが、ミスを減らす予防保全という観点で考えると、ほとんど意味がありません。
ヒューマンエラーというものを100%防ぐということはできませんので、そもそも作業や判断を行わないといった、人の手を介さないような手段を講じる必要があります。

メールによる連絡で、CCにメールアドレスが指定されているのを見落として発信者のみに返信をしてしまったという経験はないでしょうか?
メールを返信する際にCCが付いているかを都度ちゃんと確認するというのは前述したように解決策としてはほとんど意味がありません。
そういったことが起こるのは、そもそも忙しくて注意が散漫になっている時だからです。

例えば、メーラーの「返信」を非表示にして「全員に返信」のみにすることで自動的にCCも指定されるため、抜けていないか確認の必要がなくなります。
CCがなければ通常の「返信」と同じですので不都合な影響は一切ありません。

ミスやトラブルが起こらないことが第一ですので、まずは予防保全を検討し、次に事後保全を検討します。

事後保全

ミスやトラブルは起こらないことが最良ですが、ヒューマンエラーによるミスやトラブルの発生をゼロにすることはできません。
自分がいくら注意をしていても、他者が原因でミスやトラブルが発生することもありえます。

万が一、望まないことが起こったとき、ダメージを下げるための事前の準備をすることでダメージの最小化を図ります。
発生確率を下げる予防保全ができないことに対しては、特に重要な考え方です。

マシンのハングアップ、アプリケーションの突然の強制終了といったことは予測ができないために予防保全は難しいでしょう。
そういった場合は自動保存を設定することで定期的に保存を行い、強制終了した際のやり直しの作業量を減らします。

最後に

生産能力や業務効率改善のためにDXに取り組む、あるいは取り組もうと検討している企業も多いと思いますが、DXにおいてもヒューマンエラーを防ぐという考え方は重要です。
人間が行うからミスが起こるのであれば、IT化することでエラーを減らすことができるからです。

DXをに取り組むにあたっては、業務における作業を洗い出し、整理整頓をする必要があります。
そして、どの作業をITツールによって効率化、高付加価値化するかという点を検討しますが、どの作業がITツールの活用でヒューマンエラーをなくすことができるかという観点も併せて検討されると、DXに対する投資の費用対効果もより高まるのではないでしょうか。

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