ムリ・ムラ・ムダの3つは、作業効率化においてなくすべき3つの指標です。
「3M」「3ム」さらにムを取って「ダラリ」と呼ばれることもあります。
業種や企業によって「ムリ」「ムダ」「ムラ」の改善のプライオリティは異なるものの、作業を効率化する上では全てなくすべきことです。
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ムリ
通常であれば、2人の作業者が1週間かかる作業を、作業者は1人なのに作業時間は1週間で完成させるといったような、目標達成に対して経営資源が不足している状態を指します。
一定以上のの品質を担保するためには、相応の経営資源の投入と作業時間が必要になります。
実行が難しい業務、達成が難しい品質や納期は、作業者に過剰な負担がかかります。
失注を避けるためにムリな受注をすることで、従業員に常に過剰な負担がかかってしまい、それによって退職に繋がっては元も子もありません。
従業員に過剰な負担を強いないと経営が成り立たないというのであれば、それは作業レベルでの改善ではなく、経営レベルで改善すべきことになります。
ムダ
付加価値の提供やQCDの改善に寄与しない作業は全てムダです。
誰もムダな作業をやりたくはないので、ムダをなくしたいという考えはどなたも抱いているはずです。
しかし、習慣化してしまっていて疑問を抱かずにやっていることも多いのではないでしょうか。
クライアントとの間できちんと取り決めをしないために何度も発生するやり直しや修正作業、実行することそのものが目的になってしまっている会議はムダの典型でしょう。
行為そのものは必要だけど、時間をかけすぎていることもムダです。
例えば、営業担当者の業務日報の作成と確認は、必要だったとしても、時間をかけすぎるとやはりムダといえるでしょう。
『罪と罰』『カラマーゾフの兄弟』などの著者として有名なドストエフスキーは、自らの獄中の経験から「もっとも残酷な刑罰は徹底的に無益で無意味な労働をさせることだ。」と『死の家の記録』で述べています。
ムダな作業もまた、従業員のモチベーションを大きく下げるものだといえるでしょう。
ムラ
作業や成果にバラツキがある状態です。
ムラが発生するのは、ムリとムダがあるからです。
都度都度オーダーメイドで制作する場合や、サービス業のように形のない価値を提供する場合、品質のムラ、コストのムラ、作業時間のムラといったことを完全になくすことはできません。
しかし、ムリとムダを削減することで、品質、コスト、作業時間の全てにおいて改善につながるはずです。
基準となる品質、コスト、作業時間の目安がなければ、ムラであるかどうかを判断できません。
最後に
製造業であれば、日ごろから生産現場のムリ・ムラ・ムダをなくすことを徹底されているかと思われます。
しかし、製造業でも間接業務に関してはいかがでしょうか?
製造業以外の業種では日常業務のムリ・ムラ・ムダをなくすことを徹底されているでしょうか?
労働生産性を高めるためには、やはり現場のムリ・ムラ・ムダをなくすことが、現場レベルで実行可能な、すぐに取り掛かれる解決策です。
もし、現場レベルで改善できないムリ・ムラ・ムダがあった場合、事業内容や経営管理の仕方について見直すサインなのかもしれません。