リカレント教育とは、学校教育が終了した人が職業的に必要な能力やスキルや知識を習得するために、社会に出てからの継続的な学習を支援する教育のことをいいます。
主に社会や技術の変化に応じて、新しいスキルや知識を学び、スキルアップすることで、社会的地位の向上やキャリアアップを目的に行われます。
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リカレント教育の必要性
スキルにせよ知識にせよ、事業・業務をやっていくにあたって不要ということはあり得ません。
具体的になぜリカレント教育が必要なのかをご紹介します。
技術革新と変化に対応するため
事業を行う上で、既存の技術や経験、知識だけでは対応できるとは限りません。
現代の経済や社会は、急速に変化しています。
今後の市場環境の変化に対応するために、経営者層、従業員を問わず、常に新しい技術や知識の習得が必要とされるでしょう。
個人の能力開発や自己実現
リカレント教育によって、人々が自己実現のために必要なスキルや知識を習得した結果、能力やスキルの向上が期待できます。
さらに、知識やスキルを習得する過程や検定試験に合格するといった目標を達成することで、自信や自己評価の向上にもつながります。
それらの結果、モチベーションや自己成長意欲の向上が期待できます。
リカレント教育の方法
リカレント教育を実施するに当たっていくつかの方法がありますので、代表的なものをご紹介いたします。
経営者様自身、従業員の方々両方を対象としています。
職場での研修やセミナーを行う
職場での研修やセミナーに参加することは、リカレント教育において有効な方法です。
実際に職場で必要とされるスキルや知識を学ぶことができ、仕事に直結するため、学びの成果がすぐに実感できます。
学校に通う
職場との兼ね合いや家庭との両立が大変な場合もありますが、定期的な授業があるためペースを作ってもらえるため、学びの質は高い方法です。
オンラインを含めた通信制の各種学校という選択肢もあります。
本田技研工業を創業した本田宗一郎氏は本田技研工業設立前の東海精機重工業株式会社(現・東海精機株式会社)の社長時代に、3年間金属工学を学ぶために浜松高等工業学校(現・静岡大学工学部)の聴講生をしていたことがあります。
読書や自己学習
読書や自己学習も、リカレント教育の方法の1つです。
自分が興味を持っている分野や、自分のスキルアップに必要な知識を身につけることができます。
自己管理が必要ですが、時間や場所を選ばずに行うことができるため、リカレント教育には最適な方法の一つです。
リカレント教育を行う上での障害
リカレント教育におけるもっとも大きな障害が、勉強に対する動機づけです。
時間の確保も障害になりえますが、1日の内で全く無駄な時間を過ごしていない人の方が少ないと考えられますので、本人のやる気次第で時間の確保ができる人が大半でしょう。
製造業であれば資格を取得する必要性が高く、実際に多くの資格を取得されている方も多いです。
また、製造業でなくても技術職に従事されている方もスキルのアップデートを日常的にされていらっしゃる方も多いでしょう。
しかし、現状のスキルや技術の延長線以外の知識や技術が必要になることも大いに考えられます。
そのため、学びによるスキルアップが必要であるという認識を持っていただくと共に、人事考課や社内表彰といった目に見える形での何らかの動機づけが必要です。
さらに、学ぶ習慣のない方に対しては、周囲が前向きにリカレント教育に取り組むことで、自分の取り組まなければならないと思っていただくように導く必要があるのではないでしょうか。
最後に
繰り返しになりますが、今備えている知見や技術だけで、今後の事業活動において一切何の問題もないという企業以外は、経営者様や従業員の方々が何らかのスキルアップや知識のアップデートが必要です。
それは、ほぼ全ての企業が該当するはずです。
全ての経営者様と従業員の方々がリカレント教育に取り組まれることをお勧めいたします。
社会人として業務に携わっているからこそ身につきやすい、あるいは興味を持てる分野もたくさんあろうかと思われます。
リカレント教育にあたって国からの支援もありますので、活用するのも良いでしょう。
参考:厚生労働省Webサイト「リカレント教育」
以上、参考になれば幸いです。