事業承継は、中小企業にとって会社創立以来の大きなイベントといえます。
同時に、大きな課題の一つです。
実際に承継された方や承継予定者の方々は、承継した後の経営の在り方について、どのように考えられていらっしゃるでしょうか。
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創業者と事業承継者の違い
創業社長は自分がどのような事業を行うか、事業ドメイン(事業領域)の検討から始まります。
そして、起業後も顧客ゼロから始める会社がほとんどでしょう。
それに対して、事業承継した社長はステークホルダー(顧客や従業員)がいて、すでに事業をしている状態でスタートします。
言い換えると、事業承継した社長は、顧客や従業員に対する責任を負った状態から経営者の第一歩をスタートするということです。
2タイプの承継者
顧客に対する責任、従業員に対する責任の両方を果たすためには、先代から引き継いだ事業を引き続き行うことが一番確度が高いでしょう。
そのため、引き継いだ事業をそのまま同じようにやっていくというケースが多いのではないでしょうか。
あるいは、外部環境が変わる中で、思い切ってターゲット層を変える、やり方を変える、新しいやり方を取り入れるといったこともあるかもしれません。
統計はありませんので感覚的なものでしあかりませんが、事業承継をした社長は、先代の事業ドメインややり方を変えない人と、思い切って変える人と極端に分かれるようにも思います。
利益が出ていなければ変わる必要がある
先代から変えない、大きく変える、適切に利益が出ているのであればどちらも正解です。
しかし、変わらないことでだんだん収益が減っている、経営が大変になってきたというのであれば、環境に応じて変わっていく必要があるはずです。
事実として、次代の変化や技術の発展によってニーズが大きく変わる市場、規模が縮小している市場もあります。
もし、今のままでは収益が減少するというのであれば、事業ドメインから見直すことを検討しても良いのではないでしょうか。
とはいうものの、創業社長のように自分で事業ドメインから考えた経験が無ければ、事業ドメインを変えるという選択肢を持つことは難しいかもしれません。
しかし、市場が極端に縮小している、ニーズが変わってしまったというように、大きな環境の変化は現場レベルの変更では乗り切れるようなものではありません。
最後に
会社を承継するというのは、事業の内容や業務のやり方を先代から変えてはいけないということはありません。
あくまでも顧客と従業員に対する責任を果たすことが求められているのであって、事業の内容や業務のやり方は、社長として追っている責任を果たすための単なる手段です。
また、次代に対して会社を良い状態して引き継ぐことも、経営者の役割です。
次代への事業承継は自分は受け継いだ日から始まっているといえるといえるのではないでしょうか。
だからこそ、経営環境に合わせて事業ドメインを変更するという選択肢を持っておく必要があろうかと考えられます。
以上、参考になれば幸いです。