多くの中小企業は税理士と契約し、決算申告や日々の仕分け作業などを依頼されています。
税理士の質は人によってピンキリですが、当然ながら質の高い税理士に依頼したいはずです。
税理士の本業のスキルや能力ではなく、人として信頼できるかどうかという点での判断のポイントをご紹介します。
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税理士の専門領域
税理士法で「税務代理」「税務書類の作成」「税務相談」が税理士の独占業務として定められています。
別の言葉でいうと税務の専門家ということになります。
企業を経営するにあたって、税務においては税理士は心強いパートナーと言えるでしょう。
しかし、企業を経営するにあたっては経営戦略、生産、プロモーションなど、税務についてよりも考えなくてはいけないことがたくさんあります。
それら考えなくてはいけない多くのことについて、税理士は特に知識を持たない、つまり素人です。
こんな税理士はやめよう
結論から述べると、顧問先企業について一番に考えない税理士は顧問契約を解消しましょう。
チェックのための質問の例を2つお伝えします。
その反応で顧問先企業のことを考えているかどうか判断してください。
①専門外のことを質問してみる
今後の展開をどうしよう、生産性を上げたい、人事評価についてといった専門外のことについて、尋ねてみた際の対応を見てください。
概ね以下の4つのパターンが考えられます。
- 適切な相談相手を提案・紹介してくれる
- 自分ではわからないと回答する
- 一緒に考える
- 知らないのに答えようとする
1と2は信頼できる方だと思われます(2だけで終わるのはあまりないかもしれませんが)。
自分が分からないことは分からないと答えるのは当然のこととして、さらに適切な相手を提案してくれれば(回答が適切であることが前提ですが)さらに良しです。
3はあまり良い対応とは言えません。
最終的に適切な答えを出すことができれば良いですが、効率性や合理性を考えると自分がすべきことではありません。
顧客に対して無駄な時間を使わせるだけです。
4はNGです。
知ったかぶりして答えようする人は、まず人として信用できません。
顧客に対して迷惑をかける、損害を与えかねないにも関わらず、知らないことを答えようとするのは、顧客よりも自分の安っぽいプライドを優先させているということです。
分からないので調べてきますというのも、人の性根としては悪くはないかもしれませんが、行動として適切ではありません。
課題の達成する確度に鑑みても、やはり専門家に任せるべきです。
②コンサルタントと契約しようと思っていると言ってみる
経営課題を達成するために、コンサルタントを活用するというのも、一般的な手段の一つです。
「○○(経営課題)についてコンサルタントと契約しようと思っている」と顧問税理士に言ってみてください。
概ね否定すると思われますが、その理由が非常に重要です。
論理的で妥当性のある理由を言って反対するのなら(それが正しいかどうかは別ですが)ともかく、「コンサルタントは高額の報酬だけ取られて効果がない」といったように、明確な根拠を提示せずに、とにかく他者へ相談をさせたがらない言動や態度を取る税理士は信頼できません。
コンサルタントが課題を達成することで自分の立場が弱くなると思っているのか、面白くないと思っているのか、偉そうにできなくなると思っているのか、理由は人によってそれぞれでしょう。
確実に言えることは、クライアント企業が課題を達成してより良くなることを望んでいないということです。
顧客の発展を望まない税理士と契約を続ける意味はないはずです。
最後に
日本税理士連合会によると、税理士は2024年4月末時点で、全国で81,073人いるとのことです。
それだけ税理士がいるわけですから、信頼できない税理士もたくさんいるように、信頼できる税理士もたくさんいらっしゃいます。
税理士は士業の中で最も経営者様と近い存在ともいえます。
だからこそ、信頼できる方とお付き合いするようにされることをお勧めします。
以上、参考になれば幸いです。