和了らない役満より和了った平和

既存の事業を恒久的に続けることはできません。
外部環境や経営資源は常に変化するため、新規事業を行う、業態を変えるといったように、大なり小なり環境に合わせていく必要があるからです。

新しいことに取り組むにあたって、ファーストステップではどの地点を目指すべきなのでしょうか。

最初から理想の状態を目指してはいけない

結論から申しますと、最初から理想の状態を目指してはいけません。

スタート前の経験がゼロの状態では、何をどうしたら理想の状態になるのか分からないでしょう。
つまり、できないことをやろうとするということですから、成功する訳がありません。
そのため、いきなり理想の状態を目指すことは論理的ではありません。

経営者や担当者の性格もありますが、ファーストステップを過剰に高い位置に設定し、いつまで経っても何も進まないということはないでしょうか。

そうやっている内に、競合に市場を押さえられてしまいました。
あるいは、環境が変わって新規事業の行うために投入したコストが無駄になってしまいました。
なんてことにもなりかねません。

最初は何点を目指すべきか

理想の状態が100点満点中何点であるかは事業や企業によって異なりますが、いきなり理想の状態を目指すのではなく、もっと小さなステップを目指すべきです。

仮にそれが100点満点中5点や10点であったとしても、前には進んでいます。
実際に実行したことで経験や知見を得られますので、それをフィードバックすることで事業の精度が高まります。
その結果、より理想の状態に向かって前進しやすくなります。

何よりも、組織の中にノウハウが蓄積されます。
また、小さいながらも成功体験というのは何物にも代えがたい企業の財産になります。

最後に

デザイン思考、アジャイル開発、リーン開発といったように、小さく始めて同じサイクルを繰り返す手法(以下、スパイラルアップ型と呼称します)の手法の導入が進んでいます。
それは、既存のウォーターフォール型(全ての工程を順に終わらせていく手法)では対応が難しくなっていることもあるからだと思われます。

もちろん、スパイラルアップ型が常に善であり、ウォーターフォール型が常に悪だという訳ではありません。
しかし、高い目標を達成するために、いきなり高い所を目指しても達成する確率は低く、いつ達成できるのかは分かりません。
状況によっては、いきなり32,000点を目指すのではなく、スパイラルアップ型の手法で1,000点から積み上げていった方が、結果として達成する確率も高く、達成時期も早いと考えられます。

そのため、いままでスパイラルアップ型の手法の経験がないのであれば、選択肢として考えてみても良いのではないでしょうか。

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