確率・統計学において大数の法則というものがあります。
大雑把に説明すると、試行回数が多くなると結果が理論値に近づくというものです。
これは経営においても当てはまることです。
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サイコロによる大数の法則の説明
一般的な6面体のサイコロのそれぞれの目が出る確率は全て1/6です。
しかし、6回サイコロを振ったら必ず1~6が1回ずつ出る訳ではありません。
同じ目が続けて出ることもあるでしょうし、全く出ない目もあるでしょう。
サイコロを振る回数が6回ではなく、60回、600回と増えていくと、それぞれの目が出る回数が、全体の1/6ずつに近づいていくという現象が起こります。 これが大数の法則です。
取り組みの成否と大数の法則
事業を行う中で、様々な取り組みをされていますが、その成否はムラがあるはずです。
例えば、あるプロモーション手法を試してみて、上手くいくときもあるでしょうし、同じ条件で同じやり方であっても、以前よりも成果が出なかったということもあります。
取り組みの成功率が100%、あるいは0%ではない限り、結果は一定ではありません。
仮に成功率が50%の営業手法があるとしましょう。
連続して4回成功することもありえますし(1/16の確率)、連続して4回失敗することもありえます(同じく1/16の確率)。
何度もやっていれば、大数の法則によって平均して2回に1回成功という結果に近づきます。
いわゆるビギナーズラックも大数の法則で説明ができます。
最初は偶然で上手くいったことも、回数を繰り返すことで偶然の要素が薄れて、本来の実力や確率に見合った結果に収まるというものです。
成否の判断
回数を繰り返すと理論値に近づくということは、回数が少ない内は理論値とはかけ離れた結果になる可能性があります。
仮にうまくいかなかった取り組みでも理論上正しいのであれば、回数を繰り返すことで理論的な成功確率に近づきます(それとは別にPDCAサイクルを回しながらの改善は必要です)。
上手くいっていた取り組みの成功確率が下がってきたら、大数の法則に従ってあるべき確率に収まろうとしているのかもしれません。
いずれにしても、新たな取り組みを1回や2回の試行の結果だけでは判断できないかもしれないということです。
最後に
事業において、トライ&エラーは欠かせません。
だからこそ、事業を行う上での取り組みの確度を上げるために、確率や統計の考え方を取り入れられても良いのではないでしょうか。
以上、参考になれば幸いです。