売上高をアップするにあたって、具体的にどのような手段を取ればよいかということをいきなり考えると適切な回答を得にくいです。
まずは、客数×客単価のように要素に分解することで、要素ごとに何をどれだけ増やせば良いのか(減らせば良いのか)見えてくるため、売上高をアップさせるヒントをつかみやすくなります。
客数・客単価もさらにいくつかの要素に分解することが一般的です。
客数なら「既存顧客数+新規顧客数ー流出顧客数」に分解、客単価なら「商品単価×購入点数×購買頻度」 に分解するなどが考えられます。
とはいえ、これらはあくまでも汎用的な考え方ですので、商品やサービスによってはさらに考慮すべきことがあります。
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リピーターになりやすさ、流出しにくさ
新規顧客開拓と既存顧客の維持とを比較すると、新規顧客開拓は既存顧客の維持と比較して5倍のコストがかかると言われています。
そのため、まずは顧客をリピーターにすることを検討したいです。
しかし、家のように一生に一度しか購入しないようなものはリピーターにはなりにくいです。
逆に、習い事やインターネットプロパイダのように、長期継続して使用することが前提の商品は流出しにくいです。
以下がリピーターになりやすさ、流出しにくさに影響を与える要素の例です。
- 購入頻度・使用頻度
- 購入しやすさ
- スイッチングコスト
新規顧客開拓をしやすい商品かどうか
一般的に顧客維持率は30~40%と言われています。
既存の顧客を維持し続けることは実質不可能だと言えますので、新規顧客の開拓も必要です。
保険や携帯電話のキャリアのように、一回契約したら基本的に見直さずにそれっきりの商品は、あえて変更しようという動機は少なくなります。
したがって、どことも契約していない新規ユーザーが一般的にターゲットになりやすいです。
以下が新規顧客開拓のしやすさに影響を与える要素の例です。
- 市場ニーズの変化
- スイッチングコスト
- 買い手のリテラシー
商品単価を上げやすい商品かどうか
提供する付加価値を上げることによって、アップセルすることができる商品もあります。
えば、オーダースーツのように買い手が自分好みにカスタムオーダーできる商品や、複数のグレードの中から選択することができるものが該当します。
医療や福祉関係のように価格が決められているものは商品価格が上げにくいです。
また、ありふれた商品の場合も、競合と比較されるため、価格は上げにくくなります。
以下が商品単価の上げやすさに影響を与える要素です。
- 買い手の価格に対するイメージ
- 競合の数
- ニーズの大きさ
購買点数を増やしやすい商品かどうか
消耗品かつ、予備が必要なものであれば、同じものを同時に複数購入することもありえます。
また、ハンバーガー店のセットのように、商品一つだけで完結しない場合はクロスセルをすることも可能です。
同時購買に関して、商品によっては方向性があります。
例えばプリンターを購入する際に印刷用紙も併せて買うかもしれませんが、印刷用紙を買うからといってプリンターも併せて買うというのは考えづらいでしょう。
自転車のパンク修理のように、商品一つだけで完結するようなものは複数購入やクロスセルは難しいでしょう。
以下が購買点数の増やしやすさに影響を与える要素です。
- 使用頻度
- 同時購買による価値向上
- 購入の手間
購買頻度を増やしやすい商品かどうか
サービス財や消耗品、消費財であれば、買い手の使用頻度の増加に伴い、購買頻度も増えることになります。
例えば飲食店であれば、週1回のペースで来店する顧客が、週2回の来店になれば、売上は2倍になります。
理美容のように、購入のペースを短くしづらい商品は購買頻度を増やすことは難しいでしょう。
また、季節性のあるもの、節目需要を満たす商品も購買頻度を増やすことは難しい傾向にあります。
以下が購買頻度の増やしやすさに影響を与える要素です。
- 商品の寿命・使用期間
- 使用頻度
- 購入の手間
最後に
客数×客単価、さらにそれぞれを分解するというところまでは紹介・解説しているサイトもたくさんあります。
しかし、どういった商品・サービスがそれぞれの要素を増やしやすいかまでは情報提供しているサイトが少なかったので、ご紹介差し上げました。
以上、参考になれば幸いです。