BtoB事業者であれば、他者の下請けや外注先となっている企業も多いかと思われます。
なぜ自社だけで完結せず、他者の力を活用するのかというと、その方が効率的だからです。
同様に、効率化のために下請け・外注先といった他者の力を活用されているでしょうか?
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トヨタ自動車の例
トヨタ自動車は、広く知られている通り日本で一番大きな企業です。
作ろうと思えば車一台を全て自社だけで作ることができると思われますが、なぜ部品を下請けに外注し、タイヤやプラグは社外の完成品を使用するのでしょうか。
それは、その方が効率よく生産台数を増やすことができるからです。
トヨタ自動車は自動車を販売して初めて売上になる訳ですから、販売する自動車が多いほど売上高が向上します。
もし、自社だけで自動車を生産しようとしたら、タイヤや全ての部品の金型などを生産することが必要です。
つまり、自動車を1台すべて作るだけの人員、設備、ノウハウといったことが必要になりますが、生産台数は減ってしまいます。
下請けや社外の完成品を活用することにより、トヨタ自動車は、企画、組立、販売といった得意分野に経営資源を集中させることができています。
こんなことありませんか?
Webサイトの制作費用を節約しようと自社で制作するというのも中小企業にありがちです。
しかし、Webサイトも、あれば良いと言う訳ではありません。
素人が作ったインフォメーションアーキテクト(情報設計)がなされていない、見た目も素人感があるWebサイトでは、成果が上げられないばかりか、信用を失うこともありえます。
決算に関して税理士に外注している企業がほとんどだと思われます。
決算関連は税理士に外注するのに、Webサイト制作を始めとしたその他の間接業務は自社で行うというのは珍しくありませんが、それはなぜでしょうか?
専門知識がないから決算は外注するものの、他の専門知識がないことは自分でやろうとする。
節約のつもりでやったことで、主業務に割くべき経営資源が他で浪費されてしまっていたら本末転倒です。
だったら、初めから専門業者に外注しておけば良かったということになってしまいます。
小さな企業ほど他者の力を活用しない
経営資源に乏しい中小企業こそ、効率的に経営資源を活用する必要があります。
そのためには、必要に応じて他社の力を活用することが求められます。
少し古いデータになりますが、2017年の中小企業白書によると、中小企業における既存業務のアウトソーシングの取組状況として、アウトソーシングに取り組んだことがある企業は50.5%となっています。
大企業のデータがないため、正確な数字は分かりませんが、50.5%よりも少ないということはないでしょう。
こう書くと下請けに出すようなものがないと思われる方もいらっしゃるでしょうが、他者の力を活用するのは主業務に関わることだけとは限りません。
むしろ、間接業務において他者の力を借りることで、より主業務に経営資源を投入することができるようになります。
商工会議所を始めとした公的機関へのご相談や、コンサルタントや専門家といった他者の力を借りたら、自分でやろうとするよりも簡単に、早く、かつ安価に解決します。
最後に
人間は合理的な判断が苦手なのかもしれません。
ましてや、日々の業務に追われて、忙しいのであればなおさらです。
しかし、人材の採用が難しい、エネルギーコストの高騰といった中で、今後はより効率的な経営資源の活用が求められます。
そして、効率的に経営資源を活用するためには、合理的な判断が求められます。
経営資源に乏しい企業こそ、効率的に経営資源を活用するために、積極的に他社の力を借りてみてはいかがでしょうか。
以上、参考になれば幸いです。