成長と人材

企業の成長には、人材の成長が欠かせません。 従業員の教育・訓練は不要だという経営者様はいらっしゃらないのではないでしょうか。

しかし、成長しなければいけない人材というのは従業員の方だけではなく、経営者様自身も含まれます。
企業が成長するためには、経営者様と従業員の方々両方の成長が必要だと言えるでしょう。

中小企業の成長

会社は経営者様の能力以上に大きくなりません。

ナポレオン・ボナパルトが言ったとされる「一頭の狼に率いられた百頭の羊の群れは、一頭の羊に率いられた百頭の狼の群れに勝る」という言葉をご存じの方も多いかと思われます。

有能な人材を狼、凡庸な人材を羊に例えていますが、部下の力を生かすも殺すもリーダー次第、つまり組織とはリーダーの能力次第というのは納得される話ではないでしょうか。

組織の規模と必要な人材

いくらリーダーが有能でも、1人でできることは限界がありますので、組織の規模や事業の規模が大きくなると、能力を持った人材も多数必要になってきます。

組織の規模や従業員規模がある程度以上になると、経営者一人に対して従業員がフラットな関係の文鎮型(鍋ふた型ということもあります)組織では機能しなくなります。

管理職を任せるのであれば、マネジメント能力を持った人材が必要です。
管理する部下の数が多くなるほど、相応のマネジメント能力が求められます。

自分以上の人材はいない

世の中の経営者の方々は、部下に自分と同じような能力を求めがちですが、そもそも経営者様と同じ能力、またそれ以上の能力を持った人材は社内にいません。
そんな方がいたら、すでに独立しているか、もっと大きな会社に転職しています。

逆説的な言い方になりますが、優秀な人材を確保したいというのであれば、経営者様自身がもっと優秀になる必要があります。
つまり、経営者様自身の能力を高める必要があります。

人材は育てるしかない

優秀な人材がいたら、待遇が良い会社に就職したいのは当然です。

中小企業の待遇は、どうしても大企業には劣りがちです。
そのため、優秀な人材が欲しいのでしたら、採用ではなく、自分で育てるというのが現実的な解決策でしょう。

東京商工会議所の調査によると、従業員に対する研修・教育訓練の重要性について、97.1%の企業が「重要」と回答しています。

参考:研修・教育訓練、人材育成に関する調査

しかし、実際には従業員教育に関して、規模の小さな会社ほど、中長期的な方針・計画の策定をしていません。

教育と企業規模に因果関係があるのかどうかはアンケート結果からは分かりませんが、相関関係はあると考えられないでしょうか。

教育の障害

97.1%の企業が重要と考えている研修・教育訓練ですが、以下の課題のトップ3をご確認ください。

  • 研修・教育訓練を行う時間的余裕がない(業務多忙等)…44.4%
  • 研修・教育訓練を担当する人材が不足している…38.1%
  • 研修・教育訓練に関するノウハウが不足している…34.4%


一番多い「時間的余裕がない」に関しては、厳しい言い方をするとできない理由ではなく、やらない理由の典型です。
業務の中で全く時間を作る余地はないのでしょうか。

「担当する人材が不足している」「ノウハウが不足している」は、研修講師を呼ぶ、Off-JTで研修をしてくれるところに派遣するといったように、他者の力を借りれば良いので、すぐに解決できます。

時間の捻出はすぐには難しいかもしれませんが、他の2つはすぐに実行できます。
その結果、人材不足やノウハウ不足は解決できるでしょう。

最後に

難しい課題に対しては、今までと少しやり方を変えてみたといったことだけでは達成できません。
課題を達成できる手段と、手段を実行できるだけの人材の能力が水準以上であることが最低条件です。

普段から経営者様自身、従業員の方々の能力の向上に努めることが企業の成長は言うに及ばず、維持においても必要になります。

以上、参考になれば幸いです。

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