貴社が提供している商品・サービスは何でしょうか?
では、貴社が顧客に提供している価値は何でしょうか?
どちらに着目しているかで、企業としての可能性は大きく異なります。
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マーケティングにおける商品とは
買い手が商品・サービスを購入する理由はないでしょうか?
商品自体が欲しくて、あるいはサービス自体を受けたくて購入するのではなく、それによって得られるベネフィット(便益)を得るために購入します。
例えば、製造業を営む企業が新たに設備を購入するのは、設備自体が欲しいからではありません。
生産性を向上したい、リードタイム短縮のためにより性能の高い設備が欲しい、既存の設備では対応できない加工をできるようになりたいといったように、主にQCDの向上が目的です。
提供しているものは何?
先ほどの製造業の例で考えてみましょう。
顧客はQCDの改善をしたいということに対して、新規設備の導入という手段を取っているということになります。
設備メーカーや設備の商社から見ると、提供しているのはQCDの改善であって、機械そのものではありません。
だとすれば、設備を提供する以外の商品はないのでしょうか。
例えば、製造業用の生産管理や在庫管理のシステム、生産性向上のためのコンサルティング、人材採用のためのWebサイト制作といったように、製造業の課題を達成するために必要なサービスも併せて提供するということも考えられます。
事業は自社だけで行う必要はありません
例で挙げたことをできるようなノウハウや技術はないし、現状できる人間もいないのでできない……そんあことはありません。
できる相手と組めば解決します。
システムインテグレーターと組めばシステムの提供はできますし、コンサルタントと組めばコンサルティングを提供できます。
Webサイトであれば、Web制作会社とアライアンスを組めばよいのです。
そして、紹介料としてマージンをもらえば自社のリソースを一切割かずに売上と利益率を向上させることができるようになります。
何も事業は自社単独でしかやってはいけない訳ではありません。
最後に
提供しているのは商品であるという視点で考えると、たくさん商品を売る、高い商品を売るという発想の範疇から出ることはできません。
言い換えると、自らの可能性を制限しているということです。
繰り返しますが、買い手はベネフィットを求めて商品・サービス購入する訳であって、商品・サービス自体を求めている訳ではありません。
したがって、「提供している商品・サービスは何か」ではなく、「提供している価値は何か」の視点で考えることで、可能性が広がります。
以上、参考になれば幸いです。