旅行に行くとします。
さて、どうやって行ったら良いでしょうか。
もちろん、答えられる訳がありませんね。
いつ、どこに、誰と、何をしに、どれだけの日数といった条件が全く分からないのに、適切に回答することはできません。
しかし、ビジネスにおいては条件が不明なまま手段を考えようとすることは日常茶飯事です。
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現状とありたい姿
現状とありたい姿が明確にならない限り、ギャップが明確になりません。
ギャップが明確にならない限り、ギャップを埋める方法は明確になりません。
言い方を変えると、現状とありたい姿を明確にしない限り、たまたま上手くいく以外の達成はないということになります。
手段と目的を混同する
我が国の労働生産性は主要先進7カ国(G7)では最下位だということを聞いたことがあるかと思われます。
労働生産性の定義や、その算出の仕方の妥当性も考慮する必要がありますので、実態はどうなのかは分かりませんが、労働生産性の向上を図ることは常に求められます。
対策として、国も企業の労働生産性向上の手段としてIT化やDXの推進しています。
全ての企業が取り組むべきことですが、IT化やDXを目的としてしまってはいけません。
あくまでも、現状とありたい姿の明確にしてギャップの明確化を図った上で、ギャップを埋める手段としてITを活用できること、ITでは埋まらないギャップを仕訳して、ITの手段を検討する必要があります。
さもなければ、適切なIT化はできません。
なぜ手段を考えようとするか
現状とありたい姿が明確にならない限り妥当な手段は考えられないにも関わらず、なぜいきなり手段を考えようとするのか、いくつか理由が考えられます。
- ありたい姿を設定するよりも、手段を検討する方が具体的で考えるのが容易だと考えている。
- 目先のことにのみ意識が集中している。
- 何らかのアクションを取ることで不確実性や不安への対策をしているように感じることができる。
いずれにしても、適切な手段の検討の阻害要因であることには変わりありません。
最後に
現状とありたい姿を明確にすることからスタートしなければ、上手くいかないばかりか、上手くいかない理由も分かりません。
たまたま上手くいくことはあるかもしれませんが、たまたま上手く行っただけですので再現性もありません。
何かに取り組む際は、まず最初に現状とありたい姿のギャップを明確にするところから初めてください。
以上、参考になれば幸いです。