「深淵をのぞく時、深淵もまたこちらをのぞいている」
ドイツの哲学者ニーチェの著書にある言葉ですが、聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。
さて、採用面接は企業側が応募者を見るものではありますが、それは一面的な見方です。
応募者もまた、企業側を見ている訳で、良し悪しの判断をするのは企業だけではなく、応募者側も同様ということです。
では、どういった面接が応募者の印象を悪くするのでしょうか。
いくつかご紹介します。
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どういった人を取りたいのか考えていない
従業員が1名退職したので、補充として1名採用したい。
取りあえず面接をしてみて、一番良さそうな人を採用しよう……というのはよくあるケースではないでしょうか。
しかし、これは良くありません。
なぜなら、取りあえず応募者の方に色々喋ってもらって、気になったところを質問することになりますので、応募者への質問が場当たり的なものになってしまうからです。
応募者側に何も考えていないことが、しっかりと伝わってしまっていますので、応募者の方にここで働きたいとは思っていただけません。
今後の会社のビジョンを明確にし、ビジョンを達成するためにはこんな人に来てほしいというイメージを明確に持つ必要があります。
面接が始まってから履歴書を見る
先ほどのものよりもさらに印象が悪いパターンです。
事前に履歴書や職務経歴書といった資料を送付させておいて、面接が始まってから初めて見るという行為に対して、マイナスの印象を持ってもプラスの印象をもつ人はいません。
面接相手は待っている間、事前に見ておけよ、いつまで待たされるのか、なんて思っている訳ですが、一番の問題は相手にそういった印象を与えかねないことまで配慮できていないということです。
一事が万事で、この会社はどうせ他のこともちゃんとできないと思われても仕方がありません。
ですます調で話さない
面接相手になあなあな話し方をしていないでしょうか。
確かに採用に至れば雇用主と従業員、上司と部下という関係かもしれませんが、面接時はお互いイーブンな関係で、ましてや初対面の相手です。
フランクな態度で接すること自体は問題ないと考えられますが、どのような態度であっても初対面の相手に接する程度で応募者の方に接しないと、社会的常識を疑われる、あるいは面接だから適当に接している、相手によって態度を変えるといった悪い印象を持たれかねません。
また、同じ業界内で転職している応募者であれば、採用しなければ同じ業界の他の会社に就職する可能性があります。
そこで、あそこの社長は常識がないといった話になってしまって、得をすることは何もないはずです。
最後に
応募者に悪い印象を与える面接のパターンをいくつかご紹介しました。
人口減少に伴う労働人口の減少で、ただでさえ人材採用が難しくなっています。
欲しい人材を採用するためには、応募者の方からもこの会社で働きたいと思っていただく必要があります。
応募者に特別良い印象を与えることができなくても、せめて悪い印象を与えないようにしたいところです。
そのためにも、相手もこちらを見ているということを忘れないようにする必要があります。
参考になれば幸いです。