以前、経営分析としてポピュラーなSWOT分析について取り上げました。
SWOT分析の短所を埋めるため、応用した使い方を提案いたします。
Table of Contents
内部環境
S(強み)
まず、Sをそのまま強みとして使用するのではなく、売上を上げる要素として捉えます。
その上で、競合と比較して優位性があるかという点と、VRIO分析を併せて行うことで、持続的に競争優位性があるかを検討します。
例えば、技術力や生産力といったことが該当します。
W(弱み)
Wは弱みではなく、売上を上げるための制限として捉えます。
競合に対する比較劣位かどうかは関係ありません。
例えば、人的リソースの制限、生産能力の制限といったことが該当します。
外部環境
O(機会)とT(脅威)に関しては通常のSWOT分析のものと、さほど違いあありません。
売上向上の機会と売上減少の脅威として捉えていただいたら結構です。
クロスSWOT
S×OとS×Tを検討するのは一般的なクロスSWOTと同様です。
しかし、Wは弱みではないため、W×O、W×Tは考えません。
S×OとS×Tを検討した後で、売上向上の制約となるWをどのようにマネジメントするかを考えます。
弱みを克服するといった実効性、確実性に疑問がある戦略ではなく、売上を積極的に向上させるための制約やリスクの対策に時間を割くことで、売上向上の確度を高めます。
通常のSWOT分析との相違点と共通点
売上につながる要素を生かせないかという点に着目しています。
また、機会を生かすために、脅威から逃れるために、売上を上げる要素をより伸ばせないかといったことも検討しやすいでしょう。
しかし、以前書いたようにSWOT分析は総じて主観的であり、その点は解決できていません。
最後に
既存のフレームワークは汎用的なものですので、いつ、いかなる時も有効に活用できるとは限りません。
したがって、企業によって自分好みにカスタムすることも時には必要でしょう。
機械的にSWOT分析を行うのではなく、実際に使用するためのカスタムの一例としてご紹介しました。
参考になれば幸いです。