始業時間と終業時間、服装に関する規定といったように、会社であれば何らかのルールがあるかと思われます。
経営者であれば、どなたも従業員の方々にはルールを守ってほしいと考えていらっしゃるでしょう。
会社のルールを守らないのは従業員の方だけではありません。
経営者、経営幹部の方々は、会社のルールを守っているでしょうか?
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とある会社の話
実際の例をご紹介します。
A社は、従業員が10数名程度のシステム会社で、昼休み時間が12:00~13:00と決められていました。
半分以上の従業員が社長と一緒に昼食に行くのですが、ある日、社長を含めた全員13:00を過ぎてからしか帰ってきませんでした。
それがだんだんルーズになっていき、13:15を過ぎてようやく帰ってくるといった状況になってしましました。
しかも、時間をオーバーしているにも関わらず、誰も悪びれていなかったようです。
「13:00に間に合わないので、もう帰りましょう」と言う従業員すらいないということだけを見ても、根が深くて結構深刻な状態と考えられます。
どう思われるか
こういった状況を第三者が見たらどのように思うでしょうか?
悪い印象を与えこそすれ、良い印象を与える訳がありません。
さらに、弁当を持参するなどして、昼食を外に食べに行かない従業員の方々は、毎日鬱屈がたまっていくかもしれません。
そのメンバーの一人が、部下に業務上の注意をしたところで説得力はありませんよね。
ましてや「○○君、最近遅刻が多いんじゃないか」などといっても、自分は毎日遅れて帰ってくる訳ですから、説得力はゼロです。
社長がルールを破る影響
A社は従業員の定着率がすこぶる悪いです。
しかし、定着率が悪いのは元々のことで、A社の人材の定着率の悪さと時間を守らないことに関しては因果関係はありません。
しかし、社長自らルールを破り、たしなめる従業員すらおらず、社長に追従する従業員が過半数いることが常態化してしまうような状況を鑑みると、元々そういった状況になる要素を社長が持っていたと考えられます。
つまり、時間を守らないことが常態化したというのは因果の果の方で、因果の因は社長自身ということです。
それが、ちゃんとした従業員には不満を抱かせ、何かのきっかけがあるとすぐに辞めてしまうという空気、社風になってしまっている大きな要因になっていると考えられます。
最後に
経営者自らがルールを破ると、従業員の方が破るよりも企業そのものや周囲に与える悪い影響が大きいと考えられます。
さらに、経営者が一番辞める確率が低い訳ですから、経営者自身が自省しなければ、ずっと悪い影響を与え続けてしまいます。
従業員の方々との関係性によっては従業員の方々もたしなめるのが難しいこともあるでしょう。
その結果、経営者自身にとって居心地が良くても、従業員にとっては望ましくない社風になってしまうことが考えられます。