企業の経営においては、ずっと同じことだけをやっておけば良いわけではなく、常に新たな取り組みが求められます。
仮に現状で差し支えなかったとしても、競争環境におかれているわけですから、競合の動向によっては相対的に劣位になることもありえるからです。
企業の戦略、仕組みづくり、IT化といった様々な領域の新たな取り組みを行うに当たって、自社ですべきこと、あるいは外注した方が良いこともあります。
経営資源には限りがあるわけですから、自社でするのか、外注するのかを適切に使い分ける必要があります。
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新たな取り組みの必要性
どのような事業であっても、どのような商品であっても、事業ドメインやビジネスモデルといった戦略レベルから、生産、販売チャネルといったオペレーションレベルに至るまで、常により良くするための新たな取り組みが求められます。
自社が単独で存在し、競合や代替品が存在しないというのであれば、自社のペース、自社の都合だけを考えておけば大丈夫です。
しかし、競合がいる以上は競合が自社よりも優位な状況になることは望ましくありません。
そのため、常に競合より優位になるような取り組みが求められます。
繰り返しになりますが、経営資源には限度があるため、自社で行うべきことか、外注すべきことかということかは精査が必要です。
自社ですべきこと
新たな取り組みによって得られることが、既存の自社の経営資源と掛け算になるのであれば、自社で取り組むべきことです。
言い換えると、新たな取り組みによって一時間や一日といった単位当たりの売上高が上がるのであれば、ぜひとも取り組みましょう。
例えば、新たな取り組みの結果、既存の強み(比較優位性)がより強化され、今まで競合と取り合いをしていた利益率の高い仕事を受注できる確度が上がるということであれば、自社で取り組むべきことです。
要するに、時間当たりの売上高(厳密にいうと営業利益)が上がるのであれば、ぜひとも自社で取り組みましょう。
外注すべきこと
新たな取り組みによって得られることが、既存の自社の経営資源とは足し算になり、特にシナジー効果が得られない場合は外注することを検討することが必要かもしれません。
生産工程のうち、切削加工を外注していたものの、最新のマシニングセンタを購入して自社でできるようになったとしても、外注先から見ても特に単価を上げる理由にはなりません。
なぜなら、発注した製品が期日までに納品されれば、発注先が製造をすべて内製しようが、外注を活用しようが関係がないからです。
言い換えると、顧客に対して提供する付加価値が単価に影響するほど上がらないのであれば、外注を活用したうえで自社の経営資源を別のところに投資する方が良いかもしれません。
最後に
改善すべき点のない会社は存在しません。 ですが、経営資源に限度がある以上は改善するにしても精査が必要です。
特に中小企業は経営資源が乏しいため、より効率的な活用が求められますので、自社で行うことと外注することをしっかりと使い分けをすることが求められます。
以上、参考になれば幸いです。