たまに駅前で共産党員が「戦争アカン」というのぼりを立てて街宣活動をしているのを見かけます。
「戦争アカン」と言われても、日本国は現在どこの国とも戦争をしていませんし、その予定もありません。
TPOにそぐわない、ただ自分たちが言いたいことを言っているだけですから、通りすがりの人も素通りで、誰にも何も伝わっていないでしょう。
実際に、耳を傾けてちゃんと聞いたことがある方はいらっしゃらないのではないでしょうか。
実は企業のプロモーションでも、こういった単なる一方通行になっているものをよく見かけます。
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言いたいことを言っているだけになっていませんか
商品・サービスがすでにあり、プロモーションを改めて検討するにあたっては、まずどのような手法をすべきかの手段を考えがちです。
そして、訴求内容は「機能が豊富」「スペックが高い」といったような、自身がアピールしたいことを発信することになります。
残念ながら、こういったプロモーションは、無駄になる可能性が非常に高いです。
なぜなら、訴求すべき商品・サービス、伝えるべきメッセージ、訴求手段……これら全てがプロモーションを検討するにあたって欠かせないことです。
しかし、一番肝心なことが抜け落ちてしまっています。
それは、誰に伝えるべきかという視点です。
誰に伝えるべきか
最初に手段を検討すると当てずっぽうにしかなりません。
それを防ぐために、最初に考えるべきことは、プロモーションのターゲットが誰なのかということです。
ターゲットを外すとそもそも売れません。
ターゲットが変わると訴求すべき内容も変わります。
そのため、ターゲットがあいまいだとプロモーションはうまくいきません。
さて、ターゲットを検討するにあたって、2つのパターンがあります。
一つは、購入の意思決定者と実際に使用する人が同じであるパターン(便宜上Aパターンとします)です。
もう一つは、それぞれが異なるパターン(同じくBパターンとします)です。
Aパターンの場合は、いかにして本人との接点を作れるかという話になりますが、Bパターンの場合は、まず購買意思決定者は誰なのか明確にする必要があります。
例えば、工場で使用する設備を使用するのは加工担当者の方々ですが、購買の意思決定はおそらく経営者となるでしょう。
そのため、加工担当者の方々にいくら訴求をしたところで、購買意思決定者ではないので次のステップに進めません。
何を伝えるべきか
物品を買う理由は、物品によって現在の課題を達成するためであり、サービスを受ける理由は、サービスによって現在の課題を達成するためです。
例えば、今までできなかったサイズの加工をできるようにするために設備を導入する、人力でやっていたためにかかっていた時間の短縮、人力でやっていたために発生していたミスをなくしたい、だからシステムを導入するといった具合です。
課題を達成できるから対価を支払うのであって、高いスペック、豊富な機能といったことは直接の購買動機ではありません。
そのため、(競合と比較して)スペックが高いです、機能が豊富ですと言ったところで購買しようとは思いません。
伝えるべきことは、課題を達成するために必要なスペックがあること、必要な機能があることです。
さらに、BtoB向けの商品・サービスの場合は、何よりも投資対効果がプラスであることです。
工場で使用する設備で例えると、経営者様にとっての関心事は、機能やスペックよりも設備導入の費用対効果がプラスになるのか、どれだけの期間で投資資金を回収できるのかということでしょう。
それらが不明なのに、スペックの話をされても購買を検討しようとは思わないでしょう。
どのように伝えるべきか
「誰に」「何を」が明確になって初めて手段を検討することができるようになります。
「誰に」「何を」最も効率的、効果的に伝える手段は何かという視点で検討します。
一般消費者に有効な手段であったとしても、事業者が対象であれば妥当性が低いこともありえます。
例えば、企業がターゲットであれば、調べてリストアップすることができため、直接メッセージを届けるDMや営業という手段が取れます。
しかし、一般消費者の場合はターゲットとなる個人の情報を得づらいため、無駄を承知でマス広告やインターネット広告などで広い範囲に広告することも考えられます。
最後に
誰もが日常的に多くのプロモーションに触れていて、脳は自動的にふるいをかけています。
そんな中で、自分が言いたいことを言ったところで、認知もされない可能性が高いです。
まずはターゲットは誰か、ターゲットはどんな課題を抱えているか、それらから考えてみてはいかがでしょうか。
以上、参考になれば幸いです。、