言語化できる範囲

自分の伝えたいことをどれだけ正確に言語化できるとお考えでしょうか。
結論から言ってしまうと人間は自分の伝えたいことの一部しか言語化することができません。

つまり、相手の行っていることをそのまま受け取ってしまったら、相手の言いたいことを全然理解できていないということです。

言語化できる範囲

伝えたいこと全体は、「意識できていること+意識できていないこと」に分けられます。
「意識できていること」も「言語化できること+言語化できないこと」に分けられ、「言語化できること」の内の一部が実際に発せられる言葉です。

発せられた言葉を100%受け取り、誤解なく解釈できたとしても、相手の伝えたいことの一部でしかありません。
ましてや、正しく言語化できているとも限りません。

これは、自分が話し手であっても同じことが言えます。
全てを適切に言語化できるわけではありません。

聞き手の注意

相手が伝えたいことの一部しか言語化できない中で、さらに厄介なことに「一部」というのが全体の内のどの一部なのか、一部というのは全体の中でどの程度の割合なのか、時々によって変わります。

そのため、話し手の言葉だけではなく、相手のしぐさや話し方のトーンといった非言語的な部分に対しても注意を払いつつ、相手の伝えたいことの内、言語化されていない部分を類推することが必要でしょう。

適宜確認や質問をすることでお互い交通整理をして、コミュニケーションの精度を高めていくことが求められます。

話し手の注意

自分の伝えたいことを全て言語化できる訳ではない以上、相手に委ねなければいけないことがあり、それを阻害するような話し方は望ましくありません。
したがって、話し手は全てを言語化できないという認識を持つことに加えて、言語化できる部分についても明確かつ、簡潔に伝えることが必要です。

活字であれば読み手のペースで読め、分かりづらいことも繰り返し読むといったことができますが、会話であれば話し手のペースで聞き、途中での確認もできない可能性もあります。

結論から述べるというのはよく言われることですが、結論(話のゴール)を共有した上で、必要な情報を補完する形になるので、特にビジネス上のコミュニケーションでは有効でしょう。

しかし、実際には主語がない、思いつくままに話す、思いついたことを全部言うといったことがなされがちです。
これらを止めて、まず結論を述べ、次いで結論に至る説明をするだけでも言語化できる範囲が増え、適切に伝えることができる確度が向上するはずです。

最後に

会話によりコミュニケーションを行うに当たって、実際にどれだけ誤解なく伝わっているのかはお互い分かっていません。
お互い全てを言語化できている訳ではないということを認識しておけば、コミュニケーションの質は向上するのではないでしょうか。

以上、参考になれば幸いです。

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