コロナウイルスによってオンラインでの会議やセミナーといったことが一気に普及しました。
相手がどこにいようと、リアルタイムでのコミュニケーションが簡単になり、それが常識化しました。
いわゆる距離の概念が薄くなったといえます。
世の中の変化は、今後の経営、事業の前提として、捉えておく必要があります。
特に大きく変わった、変わりつつある距離と時間の概念について考えてみたいと思います。
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距離
通信販売というものは昔からあります。
日本では江戸時代から通信販売があったようです。
インターネットが普及し始めたころからネットでの通信販売も始まりました。
さらに、スマートフォンの普及によって、誰もがどこからでもネットにアクセスして物を買うことができるようになりました。
大手のネットショップであれば、翌日あるいは翌々日に家に配達されますし、食事だって宅配サービスによって家までもってきてくれます。
被服や靴のようにフィッティングが必要なものでさえ、いくつかサイズを送付し、必要なもの以外を返送してもらうといった方法で対応している店舗もあります。
自動車のように、実際に乗ってみないと分からず、かつ購入にあたって情報を必要とする高額なものであれば、店舗での販売の価値は残っていくかもしれません。
しかし、販売にあたって直接的な体験価値を必要とするもの以外は、店に行って買うということ自体が、もはや過去の常識になっていくことが予想されます。
時間
ご存知の方も多いかと思われますが、TVerというサービスがあります。
元々は違法動画配信の防止・対抗を目的として始められたサービスですが、TV放送された番組を(1週間程度以内であれば)後から見ることができます。
インターネットでスポーツの試合を中継しているDAZNも、同様に中継後1週間程度は見逃し配信をやっています。
かねてよりビデオというものはありましたが、当然ながら前もって録画予約をしておく必要があります。
TVerやDAZNの場合、前準備も不要で、視聴者側が(決められた期間内であれば)自分が見たい時に見ることができるようになったということになります。
視聴者はTVを見るにあたって、TV番組を発信側が定めた時間に拘束されることななくなったということです。
皆が同時に体感(体験)する必要がないコンテンツでなければ、付加価値の提供はより消費者側の自由度に合わせる必要があるのかもしれません。
さもなければ、消費者側に選ばれることすらなくなる可能性があります。
最後に
技術の発展や社会環境の変化によって、常識も変化します。
ECやTVといった既存のものの変化を例にしましたが、メタバースのような今後より発展しながら社会の常識になっていくものは我々の生活や事業そのものに大きな影響を与える可能性があります。
従前の事業のやり方では生き残っていけない業界も増えてくるかと思われます。
自社の事業が距離、時間の概念を超えた付加価値の提供できないか、考えてみてはいかがでしょうか。