提供する価値と価格との間には綿密な関係があり、基本的に比例するものです。
しかし、必ずしも価値と需要が比例するとは限りません。
今回は、提供価値と価格と需要の関係について考えたいと思います。
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価値の種類
価値には大きく機能的価値と情緒的価値に分けることができます。
機能的価値は商品・サービスによって得られる具体的な機能や性能に基づく価値です。
例えば自動車であれば、走行性能や燃費、積載重量といったものが機能的価値の要素となります。
それに対して、情緒的価値は商品・サービスが与える感情やイメージに基づく価値です。
自動車で例えると、そのブランドイメージやステータス性が情緒的価値の要素になります。
提供価値と需要の関係
ありとあらゆる商品・サービスにおいて、買い手が際限なく価値を求める訳ではありません。
それは、機能的価値と情緒的価値との両方において当てはまります。
例えば、腕時計に使用するような部品であれば、ものによってはミクロン単位での精度が求められるでしょう。
それに対して、建築に使用する一般的な釘であればそこまでの精度は不要です。
そのため、品質のバラツキがミクロン単位にまでそろえた釘1箱を、品質に見合った価格で販売しようとしても、品質も価格も需要にそぐわないので売れないでしょう。
適切な提供価値
商品・サービスの品質が高まることで、買い手は恩恵を受けることは間違いありませんが、過剰なスペックは市場を狭めることにもつながります。
RIZAPグループ株式会社のchocoZAP(ちょこざっぷ)は、一般的なジムよりも簡素化し、気軽に通うことができるようにしたことで、運動はしたいけれどジムに行くのは抵抗がある潜在需要を取り込みました。
価値を下げることが新たな需要の掘り起こしにつながった例ですが、顕在化している需要、あるいは潜在的な需要に対して適切な付加価値を提供すべきであって、とにかく競合よりも高い付加価値であれば良いということではないことを示唆しているといえるでしょう。
最後に
競合の商品・サービスを上回るスペックや機能を求めることで、需要から乖離する危険性があります。
それだけでなく、競合の商品・サービスとの差がなくなる可能性もあります。
買い手に対して提供する価値は競合見て検討するだけではなく、あくまでも買い手の需要に鑑みるということを忘れてはいけないはずです。
以上、参考になれば幸いです。