学問や徳が深くなるほど、謙虚になることを例えた「実るほど首を垂れる稲穂かな」ということわざは、どなたもご存知でしょう。
心構えとしても重要ですが、無用なトラブルを避けるためにも実るほどに首を垂れることは重要だと考えられます。
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ある専門家の話
とある公的な専門家派遣に登録している専門家の話です。
その専門家は個人でWeb制作を請け負っていて、起業して数年です。
二言目にはGoogle検索であるワードで順位が1位になった俺はスゴイの自慢をします。
そのワードの順位の1位がどれだけ売上に繋がっているのかどうかはさておき、ご相談者様に対しても俺はスゴいのアピールをしています。
相手を少しでも安心させる目的で「自分は(現在抱えている)課題の達成には長けています」というのなら良いと思いますが、話しぶりは単にアピールでしかありません。
事業者としては駆け出しなので、少しでも自身のアピールをしたいというのは理解できます。
しかし、それが過剰になると、たんに虚勢を張っているようにしか見えません。
大きく見せようとしているのは伝わっている
先ほどの例は個人を取り上げましたが、企業としても同じことです。
自社を少しでも大きく見せるために、根拠や実績が伴っていないにも関わらず、Webサイトで過剰な表現をしたり、営業担当者が過剰な内容のトークをしたりということがあるかもしれません。
実際に、Webサイトの会社義要ページの主要取引先欄にGoogleやYahoo!と記載していて、実際はそれらへの広告の出稿を代行していただけという企業もあります。
具体的なことを質問された際に明確に答えられない訳ですから、自身を大きく見せようとしているだけのことは相手に伝わってしまいます。
自分を過信することもトラブルのもの
自分を実力や実績以上に大きく見せようとするのではなく、自分の能力を実際以上に見積もってしまうことを心理学でダニング=クルーガー効果と言います。
本コラム記事のメインである自分を大きく見せようというのとは異なりますが、いずれにしてもアピールと実力が伴っていないことには違いがありません。
仕事の依頼を受けたとしても、顧客側の期待値と実力との間のずれが大きい若ですから、その分トラブルが発生する確率も高くなります。
なお、ダニング=クルーガー効果については別のコラム記事で取り上げています。
最後に
稲は、実る前はピンと穂が立っていますが、実るほどに重たくなって穂が垂れてきます。
これを人や企業に例えると、実績や実力がない程大きく見せようとして、実力や実績がある企業は謙虚にしていて自身を実態以上に大きく見せようとアピールをしなくても、ちゃんと伝わるということになるでしょうか。
アピール自体は必要ですが、実態に即さない、自身を過剰に大きく見せようとするのは、かえって自身のイメージを棄損することなってしまいます。
無用なトラブルややっかみを避けるためにも実るほどに首を垂れることは重要だと考えられます。
以上、参考になれば幸いです。