コロナ禍によって外出を控えた結果、運動不足や肥満の人が増えたことから、ジムや自宅でのトレーニングに取り組む人が増えているようです。
ダイヤモンドオンラインの記事によると、2021年のプロテインを含めたタンパク質補給食品の国内市場は2,200億円を超えたとみられ、10年前の558億円から約4倍になっています。
2026年には3,200億円を上回ることが予想されています。
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フィットネスにおける情弱ビジネス
フィットネスにおいても、リテラシーの低い、情報を持たない人をカモにするためのいわゆる情弱ビジネスがいくつも見受けられます。
例えは、トレーニングやダイエットに関するYoutube動画も多数アップされていますが、中には「1日5分で痩せる」「2週間で○kg痩せる」といった、誤解を恐れずに表現すれば、実際にその程度の運動でそんな成果が得られることはありえないものも数多くあります。
脂肪1kgは7,200kcalです。
体重60kgの人が7,200kcalを消費しようと思ったら、例えば時速10km/hでのランニングであれば、11時間半程度行わなければいけないことになります。
1日10分の運動をして2週間で1kg痩せるためには、時速49kg/h以上で走るのと同等の強度の運動でなくてはいけない計算になりますが、もちろんそんなことは不可能です。
真っ当な方法だと再生回数が増えないために、ありえないキャッチーな情報を提供しているだけならまだしも、ダイエットに利くという漢方薬をアフィリエイトで販売するというケースもあるようです。
主に防風通聖散が販売されているようですが、大黄といった便秘改善の成分が含まれており、長期服用することで腸内にダメージを与える副作用があります。
そもそも薬ですので、ちゃんとした診察を受けた上で処方してもらうものであり、服用の量や期間も適切に守る必要があります。
こちらは自身の金銭報酬のために、自分が使っていない、あるいは効果があるのかどうかも自分では説明できないものを販売している訳ですから、虚の情報提供よりも悪質です。
個人と事業者は異なる
悪質な情報提供や商品販売が事業者間の取引であれば、騙された側には全く非がない……とは言いづらくなります。
もちろん、嘘や大げさな情報提供で商品・サービスを売りつけるほうが悪いのは言うまでもありません。
しかし、どちらか一方が商品・サービスに関する知識に乏しかったとしても、事業者間の取引はお互いプロ同士の取引です。
プロ同士の取引ですから、基本的にクーリングオフは適用されません。
クーリングオフは消費者保護の観点から設けられているためだからです。
後から調べたら相場や適正価格をはるかに上回る価格だったとしても、契約を締結した時点でその金額を了承したことになります。
トラブルの理由は安易な契約
当たり前ですが、販売側と購入側とで圧倒的に情報量や知識量が異なる商品・サービスの方が多いのが現実です。
だとしても、契約自体は両者対等な立場で行うものですので、よく分かっていなかったは通用しません。
また、定期的に費用を払い続けるようなサービスへの加入や、フランチャイズ契約などで、聞いていたことと契約後の現実が全然違う、損しかしていないといったことも多々あるでしょう。
もちろん、瑕疵があったら相手の責任の下に瑕疵の担保を求めるのは正当ですが、仮に付加価値と価格が見合わない、いわゆるぼったくりだったとしても、契約した以上は内容に納得したことになります。
新聞の押し紙が有名ですが、大手新聞社ですら広告費のために虚偽の部数を公称しているぐらいです。
契約相手を常に疑え、常に自分を騙そうとしていると思え……という訳ではありませんが、常にリスクを考えておかなければいけません。
最後に
普段は消費者として商品・サービスを購入することの方が多いでしょうが、事業場の取引を行う際は消費者ではありません。
消費者だって賢くならないといけませんが、事業者であればよりクレバーで、より賢明で適切な判断ができるようになる必要があるでしょう。
以上、参考になれば幸いです。