改善点が全くない企業は存在しません。
ここをもっと良くしたいと考えている点を改善するためには、妥当な対策・手法が必要ですが、それ以前に大きな3つの障害があり、最初にそれらをクリアする必要があります。
3つの障害とは、以下ものです。
- 金銭的な負担
- 時間的な負担
- 精神面での抵抗
それぞれどういったものでしょうか。
詳しく見てみましょう。
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金銭的な負担
改善をするにあたって、設備導入や専門家への依頼が伴う場合、その分の費用がかかります。
ただ、現預金に余裕があるなら障害は小さくなりますし、3つの障害の中では障害として一番小さいものです。
時間的な負担
改善をするためには、何らかの手間が発生します。
何をどこまで改善したいのか会議を行う必要もあるでしょう。
外注に全て任せるにしても打合せを行う必要があります。
従業員の方々へ何らかの説明も必要になるかもしれません。
資金とは異なり、時間は貯めておくことができません。
したがって、必要に応じて都度都度時間を捻出する必要があります。
精神面での抵抗
人は変化を嫌う動物です。
これは心理学において、プロスペクト理論や現状維持バイアスで説明されています(プロスペクト理論、現状維持バイアスについては過去のコラム「必ずしも合理的、計画的か」をご参照いただけますと幸いです)。
したがって、3つの内で最も大きな障害と言えるかもしれません。
主体は誰か
改善や変更をしようと考えているのは経営者サイドなのか、現場サイドなのかといったように、主体が誰なのかいくつかのパターンが考えられます。
- 経営者様だけが改善の必要性を感じている
- 従業員の方だけが改善の必要性を感じている
- 社内の誰もが改善の必要性を感じている
それぞれのパターンを掘り下げてみましょう。
経営者様だけが改善の必要性を感じている
経営者様という立場は最も高い視座から企業を見ている訳ですので、従業員の方々には見えないところも見えるでしょう。 また、経営や事業の戦略に関わる部分は経営者が検討すべきことです。
従業員の方々の精神面の抵抗を減らすには、従業員の方々と改善の必要性、目的や意義を共有する必要があります。
また、改善の必要性は感じていても経営者様ご自身の変化に対する心理抵抗があって何も手をつけていないということも多々あるでしょう。 その場合は、ご自身のことですのでより合理的に検討する意思が求められるでしょう。
従業員の方だけが改善の必要性を感じている
現場レベルの改善のように、従業員の方だけが改善の必要性を感じているものの、経営者様は感じていなかった場合であれば、従業員の方々から意見をしてくれるのなら問題意識の共有はできるでしょう。
企業規模が大きいために従業員の方々の意見が経営者層まで届かない場合は、普段から従業員の意見を吸い上げるような仕組みが必要です。 また、普段から意見を聞く姿勢、意見を言い合える風通しの良い社風づくりが求められます。
社内の誰もが改善の必要性を感じている
迷うことはありません。
時間の経過とともに、テンションが下がってしまう前に、何をどこまで改善するかを決めて、実行してください。
最後に
改善、変更すべきことが大きい程、実行や達成が大変ですし、動き出すまでの抵抗も大きいでしょう。 したがって、最初は小さな改善を繰り返すことをお勧めいたします。
成功事例を積み重ねることで自信もついてきますし、良いように変わっていこうという社風も形成されます。
大きな改善、変更に対しても抵抗が小さくなると考えられます。
以上、参考になれば幸いです。