経営者になるには2つのパターンがあります。
自分で起業するか、承継するかです。
この2つにはそれぞれ経営者としての意識に大きな違いがあります。
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起業と承継の違い
自分で起業するにあたっては、事業ドメインを考え、自己資本を準備し、ゼロからのスタートとなります。
それに対して、事業承継をする場合は顧客や従業員などを引継ぎます。
つまり、ステークホルダーに対する責任も引き継いだ状態で経営者としてスタートすることになります。
そのため、どうしても先代から引き継いだ事業を、先代のやっていたやり方で引き続き行うというケースが多いのではないでしょうか。
結論から述べると、先代のやり方を必ずしも全て継続する必要はありません。
味は変わる
いささか古い記事ですが、日経ビジネスに経営大学ビジネススクールの授業に関する『500年続く超長寿企業、伝統とともに今を重視』という記事が掲載されていました。
内容をかいつまむと、味は時代によって変わるというものです。
500年前と今と材料や製品の保管方法が異なります。
製造設備やチャネル、プロモーション方法も当然異なります。
何よりも、顧客の生活スタイルやニーズも変わります。
変わらないのは「おいしい」ことであって、味そのものでも、業務のやり方そのものでもないということです。
引き継いだのは成果への責任
経営者として、先代から承継した顧客や従業員の方々に対する責任は果たさなくてはいけません。
そのため、先代から引き継いだ事業を、引き継いだやり方でこなすことができれば、高確率で最低限の責任を果たすことができます。
しかし、顧客や従業員の方々への責任を果たすという成果が求められているのであって、同じやり方を踏襲することが求められている訳ではありません。
例えば、先代までは店舗でしか販売していなかったので、今後もECをしてはいけないということはないはずです。
決して、事業ドメインを変えろ、やり方を変えろというわけではありません。
しかし、事業ドメインを変えてはいけないわけではありませんし、事業ドメインが同じであっても、やり方を変えてはいけないというわけでもありません。
最後に
先代より承継した顧客と事業を、引き続きやっていたら会社が順調に成長できるというのであれば無理に変える必要がないかもしれません。
しかし、先代の経営環境と現在の経営環境、未来の経営環境は異なります。
既存顧客に対する責任、従業員の方々に対する責任を果たすためにも、時世に合わせた変化・改革は必要です。
特に承継時は改革の大きなチャンスです。
以上、参考になれば幸いです。