組織化のための教育

戦国時代に天下統一を果たした豊臣秀吉には多くの有能な家臣がいました。
実弟の羽柴秀長、蜂須賀正勝、竹中重治、黒田孝高などが有名どころでしょうか。

こういった有能な実行部隊長、補佐役がいなかったなら、柴田勝家や徳川家康との争いに勝ち抜き、秀吉は天下統一は不可能だったでしょう。

有能な配下

豊臣秀吉の他にも、チンギス・ハンにはムカリ、ジェベ、スブタイといった四駿四狗と称された有能な配下がいましたし、ブレーンとなる耶律楚材がいました。
また、ナポレオンにもダヴー、ミュラ、参謀長のベルティエを含む26人の元帥がいました。

さて、1人の人間が管理できる部下の数には限度があります。
チンギス・ハンやナポレオンをはじめとした戦争上手な人は歴史上たくさんいますが、何千人、何万人といった兵士を直接指揮することはできません。
また、いくら戦上手であっても、複数の戦場を同時に指揮することはできません。

文鎮からピラミッドに

従業員数が20人を超えないぐらいの企業であれば、社長一人で全員の管理ができるかもしれません。
いわゆるトップが一人で残りはフラットな文鎮型組織というものです。

しかし、それ以上に大きくしようと思ったら、構造化したピラミッド型組織にして適宜管理職を配置する必要があります。

当然ですが、管理職には職域に相応しい能力が必要になります。
この能力というのは、業務を行う能力だけではありません。
詳細は過去のコラム記事「職位ごとに求められるスキル」をご参照ください。

能力面で任せることができる従業員がいないという風に考える方も多いでしょう。
しかし、それは管理職を育ててこなかったからです。

何を教育するか

製造業であれば、生産に関しては資格取得を励行するなど、従業員教育に力をいれているでしょう。
卸売業、小売業、サービス業も同様に、主業務のための教育には力を入れているかもしれません。

しかし、現場作業のための教育だけでは、せいぜい現場リーダーレベル、カッツモデルでいわれるローワーマネジメントレベルにしかなれません。

従業員数が数十名を超える組織であれば、階層化するだけではなく、経営者側の意図を理解し、部下に指示できるような管理職が必要です。

「○長」といった役職をつけるだけで管理職になれるわけではありません。
管理職として配置する前に、予め管理職としての能力と意識を備えるための教育をしておく必要があります。

最後に

組織を拡大せずに売上を上げるのは限度があります。
いざ組織を拡大しようと思っても、文鎮型組織のままでは限界があります。

拡大を目指すのであれば、早いうちから管理職になる従業員の方には教育と意識付けをしておくことが必要です。

以上、参考になれば幸いです。

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