
自社単独で事業をすると、保有する経営資源が事業の限界になります。
外注やコラボレーション、アライアンスを組むといったように他者の力を借りることで、さらに事業を拡大することができます。
ただし、他者の力を借りるのは相手の都合もあっての話です。
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値下げ要請・短納期要請
下請けに対して値下げ要請、短納期要請は日常茶飯事でしょう。
しかし、値下げに応じるということは、代わりに発注量を増やすといったように、受注側にメリットが必要です。
メリットのない値下げ要請や短納期要請は、無理を相手に押し付けているだけです。
誰かが無理をしないといけない関係性は長続きしません。 その結果、自身も不利益を被る羽目になります。
短納期要請も同様で、早く納品しろということは、相手の生産計画を自社の都合の良いように変更しろということです。
より高い価格で発注するなら応じてくれるかもしれませんが、外注先がより利益率の高い案件も同時に受注しているなら、当然ながらそちらを優先します。
どのような要請をするにしても、ビジネスである以上は金額以上の要請は難しいでしょう。
担当者は自分(の所属している企業)が仕事を発注してやっているというつもりでいるのかもしれませんが、なおさら金額以上の要求はできないことは認識しておくべきでしょう。
顧客の紹介依頼
金融機関に対してBtoB事業者が顧客の紹介依頼のために営業をすることがあります。
例えば、不動産会社が事業用の土地を探している企業と接点を持つことは難しいため、金融機関とつながっておくといったことです。
このような感じで、複数の企業との接点を持つ企業、コンサルタントなどと提携し、企業を紹介してもらうたびにマージンを支払うといった形で営業をしている企業もあります。
一見効率が良さそうに見えますが、それは紹介を依頼している側の話であって、紹介を依頼された側の都合は考えられていません。
マージンを支払うと言われても、よく知らない、信頼関係を築いていない相手に自分の知人や顧客を紹介することはできません。
言い換えると、自分のことをよく知らないだろうが、自分の儲けのために金で知人を売れと言っている訳ですから、応じようとは思わないでしょう。
あいまいな条件
条件があいまいだったり、仕様が明確に固まっていないということは、発注側も明確なビジョンを持っていないということです。
その状況で発注すれば、途中の仕様変更や、条件変更を申し出ることで受注側は手戻りや無駄な作業が発生します。
最初から明確にしておけば、双方にとっても最良の結果になります。
それは納期や品質のこともありますが、今後の取引においても同様です。
最後に
情けは人の為ならずということわざがあります。
「他者に情けを掛けることは、その人のためにならない」という意味で捉えている人もいるかもしれませんが、それは解釈違いです。
「他者に情けをかけることは、いずれ巡り巡って自分に返ってくるから、他人には親切にせよ」という意味です。
ビジネスでも同様です。
自分の都合だけを押し付けるのではなく、相手の都合も考えればお互い気持ちの良い取引ができ、今後の関係も良好になります。
そのためには、相手にとってメリットがあるか、デメリットにならないか、都合が悪くならないかということは考えられるのではないでしょうか。
相手の立場や感情を完全には理解できませんが、論理的には考えることはできるはずです。
その結果、強力かつ有効的なリレーションシップ、コラボレーションにつながって、経済的なメリットを得ることができるのではないでしょうか。
以上、参考になれば幸いです。