ビタミンCを含んだ商品を訴求するにあたって、「レモン○個分のビタミンC」といった文言を見かけたことがあるでしょう。
そう言われると、確かにビタミンCが多く含まれていそうと思うかもしれませんが、実際のところはどうなのでしょうか？
レモン1個(100g程度)に含まれているビタミンCは100mg程です。
成人が1日で必要とされているビタミンCの量は100mgと言われていますので、レモン○個分と言われるとかなりビタミンCを含んでいると言えるでしょう。
……といった簡単な話ではありません。
レモン1個に含まれるビタミンCは100mgだとしても、これは皮も含めた丸ごとの話で、果肉部分に含まれるビタミンCは20mg程度だそうです。
1個分というのを丸ごととしているのか、果肉部分としているのかで5倍の開きがある訳です。
なお、一般社団法人全国清涼飲料連合会では、表示ガイドラインを定めて、レモン果実１個当たり「20mg換算」としています。
この基準に照らし合わせると、レモン丸ごと1個にはレモン5個分のビタミンCが含まれているということになります。
では、ビタミンCが多い基準としてレモンを取り上げることの妥当性を考えてみましょう。
日本食品標準成分表を参考にして、スーパーマーケットで容易に購入できるもので、可食部100gあたりのビタミンCが多いものをいくつかご紹介します。
赤ピーマン（生）…170mg
赤ピーマン（油いため）…180mg
黄ピーマン（生）…150mg
黄ピーマン（油いため）…160mg
ブロッコリー（生）…120mg
ブロッコリー（ゆで）…54mg
カリフラワー（生）…81mg
カリフラワー（ゆで）…53mg
イチゴ（生）…62mg
カキ（生）…70mg
キウイフルーツ（生）…69mg
あまのり（ほしのり）…160mg
あまのり（焼きのり）…210mg
あまのり（味付けのり）…200mg
いかがでしょうか、レモンが最もビタミンCが豊富という訳ではないようです（容易に購入できないために掲載しませんでしたが、アセロラは可食部100gあたりのビタミンCが約1,700mgと圧倒的です）。
レモン丸ごと1つに含まれるビタミンCの量と、1日に必要なビタミンCの量が同じで、さらにビタミンCが豊富そうなイメージでレモンを基準にしているように思えます。
よろしければ、話の種として使ってください。