あるマークシートの試験の回答が「アエイウウ」だったとします。
別の試験で「アエイウウ」とマークしたら満点だと考える人はいないはずです。
問題が異なる訳ですから当然です。
事業において、過去の成功した手法では上手くいかなくなってしまった経験がないでしょうか。
それは、成功の復讐に陥っているかもしれません。
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成功の復讐
早稲田大学名誉教授の内田和成氏は、過去の成功体験がかえって次の成功を拒むことを「成功の復讐」と読んでいます。
成功した際の何に注目したかによって、成功の復讐に陥りやすいかどうかに影響を与えると考えられます。
この時は○○を行ったから上手くいったと行為自体に注目すると、条件が変わった時にその行為が適切でなくなる可能性があります。
条件を鑑みずに以前もこの営業方法で上手くいったからと、同じやり方に固執するとおそらく上手くいきません。
まず条件に注目する
一般的に安価な商品と高額な商品とでは、購入時に検討する時間が異なります。
コンビニで水を買うにあたって何日も検討する人はいませんが、家を買うにあたって数秒しか検討しない人も皆無でしょう。
このように、商品の価格、利用頻度、買い手の商品知識などの条件が異なると、同じ売り方はできません。
成功体験から学ぶとしてたら、「こういうときはこうしたら上手くいった」ではいけません。
どういう状況において、どういった条件を満たすことができたから上手くいったのか、そこを分析する必要があります。
理由が分からないこともある
物事の因果関係、相関関係を求めるのは非常に難しく、こうすれば判明しますという手法はありません。
また、平戸藩主、松浦静山の「勝ちに不思議な勝ちあり、負けに不思議な負けなし」とあるように、なぜ成功したのか分からないということがありえます。
しかし、上手くいった、良かったで終わってしまって成功の要因を分析しなければ、得られるものがゼロであり、成功の再現が難しくなります。
分析の結果、何か少しでも掴むことができれば、次回以降の成功の確度は高まることはあっても、下がることはないはずです。
最後に
失敗した際には、なぜ失敗したのか原因を究明することはあっても、成功した際に、なぜ成功できたのかを考えることは少ないのではないでしょうか。
失敗しないためには失敗の原因をつぶす必要がありますが、成功するためには成功する条件を満たす必要があるはずです。
成功の確度を高め、成功の復讐に陥らないためにも、成功した物事の分析もしっかりされることをお勧めいたします。
以上、参考になれば幸いです。