少し前の新聞記事ですが、コロナ禍において、グランピング場の開業が相次いでいるようです。
初期投資が少なく、さほノウハウも必要とされていないうえ、他人との接触機会が少ないため、コロナ禍においても売上が期待できるということだそうです。
さて、グランピングの人気が上がっている中で、グランピング場開業による収益向上の確度はどのようなものでしょうか?
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成長市場は儲かるのか?
市場規模が10億円であれば、市場から得られる企業の売上の最大値は10億円の売上になりますし、市場規模が1兆円であれば、市場から得られる企業の売上の最大値は1兆円になります。
しかし、市場に参入している企業が1社であれば市場を独占できますが、100社あれば100社で顧客の取り合いになります。
当然の話ですが、グランピングのニーズがいくら高かったとしても、買い手から自社が選ばれなければ売上にはなりません。
グランピング場のサービスを提供する事業者は分母、自社は分子ですので、確率だけで言えば分母が大きい程自社が選ばれる確率は下がります。
つまり、「成長市場に参入することが売上につながる」のではなく、「成長市場であっても顧客から選ばれなければ売上に繋がらない」がより正しいといえます。
自社が選ばれなければ売上には繋がらない
「成長市場であっても顧客から選ばれなければ売上に繋がらない」なんて当たり前だと思われる方がほとんどかと思われます。
しかし、グランピング場に限らず、スマホアプリやIT系といった成長市場には、実際に多くの企業が機会を求めて参入しています。
市場参入をするということは、一定以上の可能性があると判断をしてのことです。
そして、市場参入した全ての企業が利益を出している訳ではないのも想像していただけるかと思います。
市場参入の際に、果たしてどれだけの競合が市場参入するかを検討しているでしょうか。
競合が多い程、自社が選ばれる確率が下がるということまで考えているでしょうか。
提供する付加価値が競合よりも大きい、訴求力があって周知させる能力が高いといったことがあれば、買い手から選ばれる確率を高めることは可能です。
しかし、そうなると、先行しているすでに経験がある事業者や、企業規模が大きい事業者やが有利なことは否めません。
角度を変えて考える
伸びている市場に参入することが決して悪いとは言えません。
しかし、競合と同じ土俵に立った勝負では、不利さをひっくり返すだけの条件が必要です。
とはいえ、競合よりも高い付加価値を提供するといったことも、参入する市場や提供する付加価値によっては容易ではないでしょう。
そこで、角度を変えて考えてみることをお勧めします。
グランピングで例えると、グランピングの需要増加に応えるためにグランピング場を提供するのではなく、グランピング場が増えているのに対してグランピング場に対して提供できる付加価値はないかという考え方です。
グランピング場で使用する食材、ゴミの処理、掃除といったグランピング利用者の増加に伴って変わるニーズに応えるというものです。
例えば、道具がなくても開けやすくすく、ゴミが出にくいパッケージにすることで、グランピング場で使用しやすい食材をグランピング場に提供するといったことです。
グランピング場を行うのであれば、自社の経営するグランピング場に顧客が来なければ売上になりません。
しかし、グランピング場自体に商品・サービスを提供するのであれば、どこのグランピング場が人気であったとしても関係がありません。
最後に
例としてグランピング場を挙げましたが、成長市場に参入することが決して悪いということではありません。
しかし、市場が成長するに伴って、直接市場に参入すること以外の可能性を検討することで、より確度の高いビジネスチャンスを得られる可能性も考えられます。
以上、参考になれば幸いです。