商品・サービスの品質改善は、企業の収益向上につながります。
ただ、品質といっても、捉え方によっていくつかの種類に分類できます。
適切なポイントを改善しないと、労多くして実り少なしといったことになってしまいます。
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あって当たり前のもの、ないのが当たり前のもの
あって当たり前の付加価値は、仮に標準以上だからといってプラスの評価をされるとは限りませんが、標準以下だとマイナスの印象を与えるものがあります。
逆に、ないことが普通の付加価値であれば、あることでプラスの要素になり得る価値に該当します。
ボールペンで例えてみましょう。
ボールペンであれば紙に字が書けるのが当たり前です。
なので、字を書く機能を強化しても、買い手にとって評価は目立って向上しないかもしれません。
逆に、インクが出づらい、線がかすれやすい、滑らかに紙の上を走らないといったように、書くことに関する障害があればマイナスの印象を与えます。
また、一般的なボールペンは書き損じても消すことはできませんが、PILOT社のフリクションであれば、ボールペンでありながら書いた文字を消すことができます。
競合製品にはない機能を備えていることで、買い手から評価されて選ばれる可能性が向上します。
主となる価値、補助的な価値
商品・サービスには主となる機能、補助的な機能があります。
主となる価値が低いのであれば、補助的な価値がいくら高くても評価されづらいかもしれませんが、主となる価値で差別化が難しいのであれば、補助的な価値で全体の価値を向上させることもできます。
例えば、洗濯洗剤であれば汚れを落とすのが当たり前です。
各メーカーも研究開発に余念がありませんので、洗浄効果も年々高まっていると思われますが、市場に流通しているのはある程度の基準を超えたものばかりで消費者も差を感じないのではないでしょうか。
そうなると、差別化のためには良いにおいがする、抗菌効果、柔軟効果といった汚れを落とす以外の補助的な価値を付与することになります。
2種×2種の価値
「あって当たり前のもの」「ないのが当たり前のもの」と「主となる機能」「補助的な機能」でそれぞれ2×2のマトリックスになります。
「あって当たり前のもの×主となる機能」と「あって当たり前のもの×補助的な機能」とのそれぞれの向上も必要なものではあります。
しかし、その価値は買い手に伝わりにくく、差別化要因になりづらい可能性が高いです。
「ないのが当たり前のもの×主となる機能」と「ないのが当たり前のもの×補助的な機能」は一考の価値があると考えられます。
ニーズの存在が前提ですが、差別化要因や競争優位性につながる可能性があるからです。
最後に
製品を例にしましたが、卸売業、小売業、サービス業であっても同様に考えることができます。
例えば、卸売業の主となる価値は「顧客が欲しいものを欲しいタイミングで提供すること」だと言えるでしょう。
そして、補助的な価値としてはリテールサポートが該当するでしょう。
その他に、顧客に応じた、ないのが当たり前の価値は考えられないでしょうか?
技術の発展で、単なる作業、単なる処理は人間が行う必要がなくなります。
新しい価値を生み出して、提供する品質を高めることがより重要になっていきます。
以上、参考になれば幸いです。