X-Y=ZのZの値は何でしょうか?
もちろん、このままでは答えられません。
XとYに何らかの数字が入らないと、Zを求めることはできません。
さて、企業経営においては様々な「これはどうしたら良いのか?」が発生します。
その際に具体的な打ち手を求めるのは、XYが分からないのにZを求めるのと同じようなものです。
正確な回答を得ることはできません。
では、どうすればよいでしょうか。
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XとYは何?
X-Y=Zを実際の経営に当てはめると、Xはありたい姿、Yは現状、そしてZはそれらのギャップになります。
ありたい姿と現状のギャップが明確でなければ、ギャップが明確にならず、ギャップが明確でなければ、具体的に何をどのようにすればよいのかは分かりません。
あてずっぽうで色々試してみて、たまたま望んだ成果を得られる可能性もゼロではないかもしれません。
しかし、経営において何事も運任せという訳にはいかないでしょう。
逆算で考える
実際には、万事手段から考えようとしがちです。
しかし、前述したように、ありたい姿と現状とのギャップが明確でない状態で具体的な手段を考えてもうまくいきません。
現状とありたい姿からギャップを明確にして、逆算してギャップを埋め宇手段を検討します。
例えば、A地点から、B地点に決められた時間に間に合うように移動する場合は、逆算して考えるはずです。
B地点に何時につくためには、B地点の最寄りの駅に何時何分につく必要があり、そのためには何時何分の電車に乗る必要があるため、A地点の最寄りの駅には何時何分についておく必要がある。
そのためにはA地点を何時何分に出発する必要がある、といった具合です。
あてずっぽうで出発し、あてずっぽうな交通手段で時間同売りに目的地に到着したいというのは、現実的ではありません。
目的の達成のためには、Y(現状)とX(ありたい姿)が明確になっている必要があります。
Y(現状)は明確でしょうか?
現状をどこまで把握されているでしょうか?
売上高や営業利益額、棚卸資産の増減ぐらいなら税理士が決算時に説明してくれるかもしれません。
しかし、売上高が下がったとして、顧客の購入頻度や客単価、同時購入されている商品のパターンの変化といったことはいかがでしょうか。
また、現状というのは自社のことだけではありません。
売上高が下がった理由は、競合に顧客を取られてしまったのか、市場のニーズの変化なのかといったことなど、様々な要因が考えられます。
現状に関して、何をどこまで把握する必要があるのかはケースバイケースですが、売上高の低下に対する対策を検討するにあたって、どう下がったのかという変化の状況と低下の原因は、把握したいところです。
X(ありたい姿)を明確にしていますか?
X(ありたい姿)は明確にされている企業がいかがでしょうか?
Yは同じでも、X(ありたい姿)が変われば、Z(ギャップ)が変わり、必要な打ち手も変わります。
例えば、売上高が10億円の企業が、売上高12億円を目指すとします。
1年での達成を目指すのか、3年での達成を目指すのかでは、必要な打ち手は異なるはずです。
また、X(ありたい姿)が明確でなければ、進捗状況も分からない……というよりも、打ち手に対して必要十分な成果が出ているのかという基準もあいまいなものにしかなりません。
まず、X(ありたい姿)を明確にすることが求められると言えるでしょう。
その後、Z(ギャップ)を埋めるための打ち手を検討することで、より確度の高い打ち手を検討することができると考えられます。
X(ありたい姿)の設定
X(ありたい姿)を設定することが求められるとなると、必然的にX(ありたい姿)をどのように設定するかということもまた重要です。
現実的ではない姿を設定しても意味がありませんし、特に何もしなくても達成できる姿もまた意味がありません。
突き放した言い方になってしまいますが、経営者様ご自身が妥当性の高いX(ありたい姿)を設定する必要があります。
お一人で検討するのが難しいのであれば、従業員の方と一緒にお考えいただいたら良いのではないでしょうか。
特に、現場レベルのことであればなおさらです。
経営者が決めた目標ではなく、自分たちの一緒に考えた目標ということであれば、Z(ギャップ)を埋めるための取組も、やらされ感ではなく、自分事として捉えていただきやすいと考えられます。
最後に
問題と感じていることに対しては、どうしても具体的な打ち手を考えようとしてしまいがちです。
しかし、問題というもの……XとYとのギャップであるZが明確でなければ、打ち手があてずっぽうになってしまいかねません。
そうなると、たまたま上手くいったとしても、他の問題や、同じ問題が再度起こった時におなじように解決できるとは限りません。
まずX(ありたい姿)とY(現状)をしっかり明確にしてみてください。